頭の中で同じことがぐるぐる回って止まらないとき|気分の落ち込みと「反すう」の扱い方
同じ後悔や不安が、何度も頭の中に戻ってくることはありませんか。「もう考えても仕方ないのに、また同じことを考えてしまう」——意志が弱いからだと責めていないでしょうか。この記事では、そうした「反すう」がなぜ起こるのかを整理し、今日から試せる小さな行動を一つ選べるようになることを目指します。
同じ考えが何度も戻ってくるのは、意志が弱いからではありません
こうした、同じ出来事について何度も考え続けてしまう状態を「反すう」と呼びます。反すうが続くと、つい「意志が弱いからだ」「性格的にくよくよしやすいからだ」と自分を責めてしまいがちですが、同じ考えが戻ってくること自体は誰の心にも起こりうる自然な働きだと考えられています。出来事を頭の中で検討し続けるのは、本来「解決策を探そう」とする心の動きの延長線上にあるものですが、答えにたどり着かないまま繰り返されると堂々巡りのように感じられます。これは意志の力で止められるかどうかという話ではなく、まず「そういうものなのだ」と気づくことが最初の一歩になります。
「考える」と「反すう」はどう違うか
同じ出来事について考えること自体は悪いことではありません。起きたことを振り返り次にどうするかを探る「考える」は、問題を整理し前に進むために欠かせないものです。一方「反すう」は考え続けている点では似ていますが、動き方が違うと言われています。「考える」が少しずつ答えに近づく感覚を伴うのに対し、「反すう」は同じ問いを繰り返すばかりで同じ場所に戻ってきてしまう感覚を伴うことが多いようです。たとえば段取りを考えるのは「考える」に近く、答えの出ない自責の問いを繰り返すのは「反すう」に近いと言われています。この境目ははっきりしないこともありますが、「今、前に進もうとしているか」と時々立ち止まって気づいてみることが、後半で紹介する小さな行動にもつながっていきます。
反すうが続くと気分・睡眠・行動に何が起きるか
反すうは、気分・睡眠・行動のそれぞれに影響を及ぼすことがあると言われています。一つの出来事についての考えが、別の失敗や過去の記憶にまで広がり気分がさらに沈んでいくことや、特に就寝前に考え事が浮かび上がり寝つきが悪くなること、反すうに気持ちを奪われて気晴らしややるべきことへの意欲が湧きにくくなり、一人で過ごす時間が増えることなどが挙げられます。反すうでこうした状態が続くと、気分の落ち込みが強まり、「うつ」の状態に近づいていくことがあると考えられています。
<今日ためす1つ>小さな行動を1つ選ぶ
反すうそのものを完全に止めるのは難しくても、「今できることを一つだけ」から生活のリズムを変えていくことはできます。次の3つのステップで、今日から試せる小さな行動を選んでみてください。
今日ためす1つ:小さな行動を1つ選ぶ
- 今できていないことを1つ挙げる(例:昼休みに外に出る)
- 「今の自分の7割の力でできる大きさ」まで小さくする
- 3日〜1週間やって、気分ではなく「気づいたこと」を記録する
職場や環境がきっかけになっている場合
ここまでは、反すうのきっかけが特定の場面に限らない方全般に向けて書いてきました。ここから先は「反すうのきっかけが主に職場や環境の変化にある」という方向けの内容です。当てはまらない場合は次の項目に進んでください。
異動や転職など環境の変化がきっかけで、「あの対応でよかったのか」という考えが休日にも戻ってきてしまうことがあります。同じ枠組みを環境の変化という別の場面にあてはめた例を、別の記事でも紹介しています。
相談を検討する目安
反すうや気分の落ち込みが続くとき、「どうなったら相談したほうがいいのか」という目安がわかりにくいと感じる方も多いと思います。
一つは期間です。2週間以上続いているかどうかは目安の一つとして挙げられることが多いです。もう一つは仕事や家事への支障、そして睡眠や食欲の変化です。寝つきが悪い、食欲が落ちている(あるいは増えている)といった体の変化も、気分の状態と結びついていることが少なくありません。
これらは当てはまる数で判断するものではなく、気になる状態がしばらく続いていると感じたときに、誰かに話しながら整理してみるという選択肢があることを知っておいていただければと思います。
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よくある質問
Q1. 同じことを考え続けてしまうのは性格の問題ですか いいえ、性格の問題と決めつける必要はありません。同じ考えが繰り返し浮かぶこと自体は誰の心にも起こりうる自然な働きだと考えられています。「意志が弱いから」と自分を責めるのではなく、まずは「そういうこともある」と捉えることから始めてみてください。
Q2. 反すうと考えごとの違いは何ですか 「考える」は問題解決や次の行動に向けて少しずつ進んでいく感覚を伴うのに対し、「反すう」は同じ問いを繰り返すばかりで答えに近づかない状態を指すことが多いです。「今、前に進めているか」が手がかりになります。
Q3. 気分の落ち込みが2週間以上続いたらどうすればいいですか 2週間以上続いているかどうかは、相談を考える目安の一つです。仕事や家事への支障、睡眠や食欲の変化もあわせて見てみてください。当てはまる数で判断するのではなく、気になる状態が続くと感じたときは、誰かに話しながら整理してみることをおすすめします。
Q4. 対面が難しい場合、オンライン診療でも相談できますか 通院が難しい場合の選択肢として、オンライン診療もご案内しています。ただし症状によっては対面診療が適していると医師が判断する場合もあります。ご希望の際はまず一度お問い合わせください。
まとめ
反すうは、意志や性格の弱さの問題ではなく、誰にでも起こりうる心の動きです。「考える」と「反すう」の違いに気づき、同じ場所を回っていると感じたときは、今日ためせる小さな行動を一つ選んでみてください。それでも続くときは、誰かに話しながら整理するという選択肢もあります。
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オンライン診療での医師への相談も選択肢です。
参考文献
- Q1の出典:「うつ」に気づいたときの対処法は?|e-ヘルスネット(厚生労働省) https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-04-001.html
- Q2の出典:15分でわかる認知行動変容アプローチ1|こころの耳(厚生労働省) https://kokoro.mhlw.go.jp/e_cba
- Q3の出典:2 ストレスからくる病:ストレス軽減ノウハウ|こころの耳(厚生労働省) https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh002/
- Q4の出典:オンライン診療について 国民・患者の皆様へ|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38226.html
iこころクリニック日本橋編集部
当院の診療内容や精神科・心療内科に関する情報をもとに、患者さまのお役に立つ情報を編集・発信しています。


