転職後にしんどいと感じたら|環境の変化によるストレスとの向き合い方

転職したばかりなのに、「思っていたよりしんどい」「職場に馴染めない」「この選択でよかったのか不安になる」と感じることはないでしょうか?

転職は、人間関係・職場のルール・通勤・生活リズムまで、あらゆるものが一度に変わる出来事です。だから、転職後に心身の負担を感じたとしても、すぐに転職に失敗した、自分が弱いなどと決めつける必要はありません。

この記事では、転職後にしんどくなりやすい理由と、今の状態を整理するための見方を紹介します。また、気持ちを整理したいときの相談先や、眠れない・食欲が落ちる・仕事へ行けないといった状態が続く場合に医師への相談を考える目安についても、あわせてお伝えします。

転職後にしんどいと感じても、すぐに失敗と決めつけなくてよい

転職後にしんどさを感じると、転職に失敗したのでは、自分に合っていないのではと、つい考えてしまいますよね。

でも、転職直後は心も体も新しい環境に慣れようとしている時期です。前職では当たり前だった報告ルールが通じない、質問できる相手やタイミングが分からない、評価基準が違う、通勤や起床時間が変わる、帰宅後に休む時間が減る、そんなことが重なりやすい時期でもあります。

一つひとつは小さな変化でも、積み重なると大きな負担になります。前の職場との違いに戸惑ったり、思っていた働き方と違ったりしても、せっかく悩み抜いて決断した転職です。それだけで「転職しなきゃよかったかな」と決めつける必要はありません。

大切なのは、今のつらさをひとまとめに判断しないことです。職場環境の問題なのか、人間関係の緊張なのか、体調の負担なのか、生活リズムの乱れなのか、分けて見ていくことで、次に何を考えればいいかが少し整理しやすくなります。

転職後にしんどくなりやすい理由

転職後にしんどさを感じるのは、新しい仕事を覚える負担だけが理由ではありません。仕事内容の変化に加え、人間関係や職場環境、生活リズムなど、さまざまな変化が同時に起こるためです。

新しい環境へ適応しようとする中で、心や体には想像以上の負担がかかることがあります。その結果、疲れや不安、眠りにくさなどの不調につながることもあります。

仕事だけでなく、人間関係や職場文化も変わる

転職では、仕事内容だけでなく、職場の人間関係や組織の文化、評価のされ方なども大きく変わります。

新しい職場では、報告の仕方や質問のタイミングなど、細かなルールや雰囲気をつかむ必要があります。また、人間関係を一から築いていくことにもエネルギーが必要です。

転職直後は早く慣れなければ、期待に応えなければと頑張りすぎてしまう方も少なくありません。こうした緊張が続くと、体はストレスに対応しようとする状態になりやすくなります。その結果、疲れが抜けにくい、不安が強くなる、眠りづらい、食欲が変化する、頭痛や肩こりが続くなど、心身の不調として現れることがあります。

年代によって、転職後の不安の出方が変わることもある

転職後のしんどさは、どの年代の方にも起こり得ます。例えば、年齢やライフステージによって、不安を感じる背景が異なることがあります。

20代では、初めての転職や職場文化の違いに戸惑い、前職の方がよかったのではと感じることがあります。30代では、キャリアの方向性、役割の変化、結婚・育児など生活面との両立が重なり、判断に迷いやすくなることがあります。

40代・50代では、生活や家庭の責任、これまでの経験とのギャップ、次の転職機会への不安が重なりやすいことがあります。「簡単には辞められない」「失敗できない」と感じるほど、つらさを一人で抱え込みやすくなります。

ただし、年代によって悩みが決まるわけではありません。仕事内容、人間関係、職場文化、体調や生活への影響など、複数の要因が重なってしんどさにつながることも少なくありません。

転職前から疲れが残っている場合もある

転職後のしんどさは、今の職場だけが原因とは限りません。

前の職場で強いストレスを抱えながら働いていたり、退職までのやり取りで消耗していたり、転職活動が長引いて疲れている場合もあります。特に、限界まで頑張ってから退職した、なかなか転職先が決まらず焦りを感じていた、という方は、転職時点ですでに心身が消耗していることがあります。

そのため、転職後に不調を感じたときは、「新しい職場が悪い」「自分が弱い」と考えるのではなく、これまで積み重なってきた疲れも含めて捉えることが大切です。

今のつらさを4つに分けて整理します

転職後のつらさを整理するときは、「何がつらいのか」を分けて考えることが大切です。すべてをまとめて「もう無理」「向いていない」と考えると、次に何をすればよいかが見えにくくなります。

まずは、次の4つに分けてみてください。

気持ち

不安、焦り、後悔、自信のなさ、孤独感など。

職場環境

人間関係、職場のルール、業務量、評価のされ方、相談しにくさなど。

体調

眠れない、食欲が落ちる、涙が出る、疲れが抜けないなど。

生活への影響

朝起きられない、仕事へ行けない、休日も回復しない、家族との会話が減るなど。

たとえば、「職場に馴染めない」と感じている場合でも、人間関係がつらいのか、仕事の進め方が合わないのか、体調が崩れて余裕がなくなっているのかで、必要な対応は変わります。

まずは、今のつらさを気持ち・職場環境・体調・生活への影響に分けて書き出してみましょう。

「馴染めない」「失敗したかも」「すぐ辞めたい」と感じるときの見方

転職後のつらさは、人によって出方が異なります。

たとえば、職場の雰囲気や人間関係に馴染めず、毎日緊張しながら過ごしている方もいます。期待していた仕事内容や働き方との違いから「転職に失敗したかもしれない」と感じる方もいます。入社して間もない段階で「もう辞めたい」と思うほど追い込まれてしまう方もいます。

どの場合も、すぐに結論を出す前に、何がつらさの中心になっているのかを整理することが大切です。職場環境の問題なのか、仕事内容とのミスマッチなのか、体調面のサインなのかによって、考え方や対応は変わってきます。

■職場に馴染めない

職場の人間関係や雰囲気に馴染めないことで、強いストレスを感じる場合があります。

たとえば、既に出来上がっている人間関係の輪に入りづらい、まだ仕事に慣れない段階なのに話しかけていいのか分からない、前職と仕事の進め方が違いすぎるなど、小さな戸惑いが積み重なると、毎日職場にいるだけで強い緊張を感じることがあります。

そのような状態が続くと「自分だけ取り残されている気がする」と不安になることもあるでしょう。しかし、職場に慣れるまでの期間には個人差があります。すぐに自分を責めるのではなく、職場文化の違いや環境の変化による影響、まだ十分な人間関係が築けていないことなども含めて考えてみることが大切です。

■転職に失敗したかもしれない

転職後に「思っていた職場と違った」「前の職場の方がよかったかもしれない」と感じることは、誰にでも起こり得ます。

20代・30代では、初めての転職やキャリアの方向性への迷い、入社前に想像していた働き方とのズレなどが理由として挙げられます。厚生労働省の「令和6年 雇用動向調査」では、20代から30代前半は転職入職率が比較的高い年代とされています。転職を経験する人が多い年代だからこそ、転職後に違和感や迷いを抱えることは決して珍しいことではありません。

※参考:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」

一方で、40代・50代では、家庭や生活への責任、これまでの経験とのギャップ、次の転職機会への不安が重なり、失敗できないというプレッシャーが強くなることもあります。さらに、新しい職場で人間関係を築いていく負担や、自分より若い上司や同僚と働く環境の変化に戸惑いを感じる方もいます。

今感じている違和感が、仕事内容なのか、職場環境(人間関係)なのか、期待とのズレなのか、体調面への負担なのかを整理することが大切です。

■転職後すぐ辞めたい

入社して間もない段階で、もう辞めたいと感じる方もいます。

朝になると仕事のことを考えて気持ちが重くなる、職場へ向かうだけで緊張する、すぐに辞めてしまうことが不安で誰にも相談できない、といった状態になることもあります。

このような時も、すぐに退職するべきかどうかを急いで判断する必要はありません。仕事内容がつらいのか、人間関係が苦しいのか、体調に影響が出ているのか、相談できる相手がいないことが苦しいのかを整理してみることが大切です。

辞めるか続けるかを急いで決める前に確認したいこと

しんどさが強いときは、もう辞めるしかない、自分には向いていないと考えやすくなります。つらい状態が続いていると、視野が狭くなり、悪い方向に考えが偏ることもあります。

辞めるか続けるかを考える前に、まずは次の点を分けて確認してみてください。

  • 仕事内容そのものが合わないのか
  • 人間関係や職場文化がつらいのか
  • 疲れや睡眠不足で判断しづらくなっていないか
  • 相談できる人や窓口があるか
  • 休息を取ることで見え方が変わりそうか

もちろん、無理を続けることがよいわけではありません。ただ、つらさが強いときほどいきなり大きな判断をする前に、状況を分けて整理することが大切です。

今日できる小さな対処

転職後のしんどさがあるときは、大きな解決策をすぐに見つけようとすると、かえって疲れてしまうことがあります。まずは、今日できる小さな整理から始めてみてください。

5分だけ状態を書き出す

頭の中だけで考えていると、不安や焦りが大きく感じられることがあります。まずは5分だけ時間を取り、「何がつらいのか」「どんな場面でつらくなるのか」「体調に変化はあるか」を短く書き出してみましょう。

たとえば、「朝になると気持ちが重くなる」「職場で質問するときに緊張する」「休日も仕事のことが頭から離れない」など、簡単なメモ程度で構いません。

言葉にしてみることで、自分でも気づいていなかった負担が見えてくることがあります。

職場で抱えている負担を分ける

つらさの原因が一つとは限りません。仕事内容、人間関係、職場環境、通勤、睡眠不足など、複数の要素が重なっていることもあります。

今抱えている負担を変えられる可能性があることすぐには変えにくいことに分けて考えてみましょう。

たとえば、相談相手を探す、休息時間を確保する、上司に業務量を相談することは調整できる可能性があります。整理することで、今できることが見えやすくなります。

信頼できる人に話す準備をする

つらいことを一人で抱えていると、頭がいっぱいになってしまいます。家族や友人、職場で信頼できる人に話してみませんか?「何を話せばいいか分からない」というときは、まず今困っていることを一つだけメモしてみてください。「職場に馴染めず緊張している」「朝になると気持ちが重い」など、短い言葉で十分です。
書き出しておくと、誰かに話すときの気持ちが少し楽になります。

気持ちや状況を整理したいときはカウンセリングも選択肢

ここまで自分なりに整理してみても、気持ちがまとまらなかったり「続けるべきか辞めるべきか、もう自分では判断できない」と感じたりすることもあるでしょう。

そんなときは、カウンセリングという選択肢があります。臨床心理士や公認心理師などの心理士と話しながら、転職後のつらさ、職場での違和感、人間関係の悩み、今後の働き方への不安などを少しずつ整理していくことができます。

何がつらいのか自分でもよく分からない、同じことばかりぐるぐる考えてしまうという状態でも大丈夫です。専門家との対話を通じて、自分の気持ちや状況を言葉にしていくプロセス自体が、カウンセリングの役割の一つです。カウンセリングは医師の診察のように、診断や薬、診断書について判断する場ではありません。その代わり「何がつらいのか」「どこで無理をしているのか」「次に何を相談すればよいのか」を、自分のペースで言葉にしていくための相談先です。

なお、カウンセリングは自由診療となります。保険診療の医師診察とは時間の使い方や役割が異なるため、じっくり話をしながら状況を整理したい場合は、カウンセリングの利用も検討してみてください。

相談を検討したいサイン

転職後の疲れや緊張は、多くの人に起こり得ます。ただし、次のような状態が続く場合は、自己流の気分転換や小さな対処だけで乗り切ろうとせず、相談を検討してもよいサインです。

  • 眠れない日が続いている
  • 食欲が落ちている、または食べすぎてしまう
  • 涙が出る、気分の落ち込みが続く
  • 朝になると仕事へ行けないほどつらい
  • 休日も疲れが抜けず、生活に支障が出ている
  • 休職や診断書について相談したい

このような状態が続く場合、自分で「これはうつだ」「適応障害だ」と決めつけなくて大丈夫です。まずは、今起きていることを整理し、必要に応じて誰かに相談することが大切です。

一人で抱え込まず、専門家に伴走してもらうという考え方もあります

転職後のつらさは、なかなか周囲に話しづらいものです。「このくらいで相談していいのか」「弱音だと思われないか」と感じて、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。
でも、眠れない、食欲が落ちる、仕事へ行けないほどしんどい状態が続くなら、一人で抱え込まずに誰かに相談してみてください。
相談するといっても、すぐに診断名が決まるわけでも、退職を決めるわけでもありません。今起きていることを言葉にして、どこに相談すればいいかを一緒に整理するところから始められます。

生活への支障が続く場合はオンライン/外来診療予約も選択肢

眠れない、食欲が落ちる、涙が出る、仕事へ行けない状態が続く場合や、休職・診断書について相談したい場合は、医師の診察を受けることも考えてみてください。

オンライン診療では、家にいながら今の症状や生活への影響を医師に直接話すことができます。必要に応じて、診断や治療方針、薬、診断書などについて判断してもらえます。

ただし、医師の診療はカウンセリングとは役割が違います。保険診療の限られた時間の中で症状を確認し、医学的な判断を行う場なので、じっくり話を聞いてもらえるのとは少し異なります。気持ちや状況をゆっくり整理したいならカウンセリング、生活への支障や診断書・薬について相談したいなら医師の診療、というように目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。

また、オンライン診療の費用は、診察料は保険診療、通信費は自費となります。診断や改善を保証するものではありませんが、つらさが生活に影響しているなら、一度相談してみてください。

まとめ

転職後にしんどくて悩むのはあなただけではありません。報告ルール、評価基準、人間関係、職場文化、通勤時間、睡眠リズムなど、いろんなことが一度に変わると、気持ちだけでなく体にも影響が出てくることがあります。

そんな時は「転職に失敗した」「自分が弱い」とすぐに結論を出さず、まずは今の状態を少し分けて見てみることが大切です。気持ちや状況をじっくり整理したいならカウンセリング、眠れない・食欲が落ちる・仕事へ行けない状態が続いているなら、医師に相談することも考えてみてください。診断書や薬について聞きたい場合も同様です。

話を整理したいのか、医学的な判断を相談したいのか、目的によって合う相談先は変わります。今の自分の状態に合った場所を、無理せず選んでみてください。

iこころクリニック日本橋編集部

当院の診療内容や精神科・心療内科に関する情報をもとに、患者さまのお役に立つ情報を編集・発信しています。

カラムリンク
初診の方へ 

初診の流れやよくある質問についてご案内。

カラムリンク
医師の紹介 

患者様に寄り添った診療を大切にしています。

カラムリンク
診療のご予約

当日のご予約も可能です。
空き状況をご確認ください。

Tel.03-3666-2560