「休日は元気なのに…」は適応障害の甘え?ずるいと自分を責めるあなたへ
「自分は適応障害かもしれない・・・」と思って言葉を調べたり、真っ先に「自分が甘えているだけじゃないか」「みんな辛いのに、自分だけ情けない」と思ってしまっていませんか。仕事に行こうとすると気分が重くなったり、職場にいるとつらくなったりするのに、休日になると少し元気に過ごせる。家に帰れば普通に話せるし、好きなことならできる。
そんな自分の様子を見て、これくらいでつらいと思うのは甘えなのではないか、仕事から逃げているだけなのではないかと、自分を責めてしまう方もいるかもしれません。
また、周りから「みんな大変なんだから」「仕事なんだから、それくらい我慢しないと」と言われると、自分のつらさを誰にも分かってもらえないような気持ちになることもあるでしょう。でも、休日に少し元気に過ごせることだけで、今の状態に問題がないとは判断できません。反対に、仕事に行くのがつらいからといって、それだけで適応障害と判断できるわけでもありません。
大切なのは、自分で病名を決めることではなく、何があったのか、心身にどのような変化があるのか、仕事や生活にどのような影響が出ているのかを整理してみることです。この記事では、適応障害について自分で判断するのではなく、今の状態を整理して、必要なときに医療機関などへ相談するためのヒントをご紹介します。
適応障害は「甘え」ではありません
適応障害のつらさは、周囲から「甘え」や「怠け」と誤解されてしまうことがあります。それは、仕事などの特定のストレスから離れると、少し元気に見えることがあるためです。たとえば、職場に行こうとすると激しい動悸や涙が止まらなくなるのに、休日に趣味の時間を過ごしているときは少し動けるようになる。
こうした姿を見て、周りの人、ときには自分自身さえも、「プライベートでは元気なんだから、ただの甘えやずる休みなのではないか」と考えてしまうことがあります。けれど、休日に元気に過ごせる時間があることだけで、問題がないとも、適応障害であるとも判断することはできません。
心身の状態は、そのとき置かれている環境や抱えている負担によって変化することがあります。
また、適応障害かどうかは、特定の症状があるかどうかだけで決まるものではありません。現在の状態や経過、ストレスとの関係、生活への影響などを含めて、医師が判断します。
だからこそ、「自分は甘えているだけなのでは」と決めつけて、つらさをなかったことにする必要はありません。今の自分に何が起きているのかを、一度立ち止まって整理してみることから始めてみましょう。
すでにつらさのレベルが高く感じられ、適応障害かどうかが気になる方は定義をご覧になる方が良いかもしれません。また、原因や診断、治療について詳しく知りたい方は、適応障害の疾患ページも参考にしてみてください。

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適応障害につながる負担が生じやすい状況
「適応障害かもしれない」と考えるとき、原因としてまず転職を思い浮かべる方もいらっしゃいます。もちろん転職や入社は環境が大きく変わる出来事の一つですが、仕事上の負担が生じるきっかけは、それだけではありません。
たとえば、
- 異動や配置転換
- 昇進や役割の変更
- 復職
- 職場での人間関係の変化
- 業務量や勤務時間の変化
などがあります。
また、仕事以外にも、家庭の事情や介護、引っ越しなど、生活環境の変化が重なることがあります。一つひとつは「これくらい普通のこと」と思っていても、いくつかの出来事が重なることで、いつの間にか負担が大きくなっていることもあります。
もし最近、以前とは違うつらさを感じているなら、まずは「何が原因なのか」を一つに決めようとしなくても大丈夫です。
いつ頃から変化を感じるようになったのか、その前後にどのような出来事があったのかを、できる範囲で振り返ってみましょう。
受診前に確認したい心身と生活の変化
受診を考えていても、もし受診したときには「病院で何を話せばいいのか分からない」「こんなことで相談していいのかな」と迷ってしまうことがあります。そんなときは、以前の自分と比べて、どのような変化が起きているのかを整理してみましょう。これはあなたしか知らない情報なので、受診には大きな手がかりになります。
たとえば、
- いつ頃からつらさを感じるようになったのか
- その前後に仕事や人間関係などの変化があったのか
- 心身の状態が普段と比べてどのように変わったのか
- 仕事や日常生活で困っていることがあるのか
などです。
「朝がつらい」「仕事のことを考えると気分が沈む」「家に帰ると何もする気になれない」など、自分が感じていることをそのまま書き出してみても構いません。ここで確認するのは、適応障害かどうかを自分で判断するためではありません。
今の状態を医師などに伝えやすくするための整理として考えてみてください。
受診前の3項目メモ
いざ受診すると、緊張してしまって話したかったことを忘れてしまうこともあります。そんなときは、受診前に次の3つを簡単にメモしておくと、相談するときの助けになります。
① きっかけ
何が変わったのか、いつ頃からつらさを感じるようになったのかを書いてみましょう。たとえば、
1か月ほど前に異動になり、仕事の内容と人間関係が変わった。
という程度で大丈夫です。
② 心身の変化
以前と比べて、どのような変化を感じているのかを書いてみましょう。たとえば、
仕事のことを考えると気分が落ち込み、朝に起きるのがつらくなった。
などです。
③ 仕事・生活への影響
仕事や日常生活で、どのようなことに困っているのかを書いてみましょう。たとえば、
仕事に集中しにくくなり、帰宅すると何もする気になれない。
などです。
きれいな文章にする必要はありません。箇条書きでも、思いついたことをそのまま書いても大丈夫です。
この3項目は、適応障害かどうかを確認するためのチェックリストではありません。今の状態を医師に伝えるための相談メモとして、話しやすい範囲で使ってみてください。
医療機関への相談を考える目安
「もう少し様子を見たほうがいいのかな」「これくらいで病院に行くのは大げさかな」と迷ってしまう方もいるでしょう。しかし、心身の変化が続いていたり、仕事や日常生活に影響が出ていたりする場合には、医療機関に相談することも一つの方法です。
適応障害かどうかを自分だけで判断する必要はありません。
心療内科や精神科などで現在の状態について相談することで、今どのようなことが起きているのかを整理するきっかけになることがあります。これにより心が幾分楽になることもあるかもしれません。そのため、中には「まずはお話を聞いてみる」ということで、当院のカウンセリングを選ばれる方もいらっしゃいます。また、医療機関だけでなく、地域の相談窓口などに相談する方法もあります。「まだ受診するかどうか決められない」という段階でも、まずは今のつらさについて誰かに話してみることから始めてもよいでしょう。
一人で抱え込んで、「まだ大丈夫」と無理を重ね続ける必要はありません。なお、自殺を考えるほどつらい状態にある場合は、通常の初診予約とは分けて、専門の相談窓口などにつながることが大切です。
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対面受診に抵抗がある場合
精神科や心療内科に相談したいと思っていても、外出することや、医療機関で直接話すことに抵抗を感じる方もいるかもしれません。そのような場合には、医療機関によってはオンライン診療を利用できることもあります。
スマートフォンやパソコンから相談できるため、対面での受診に抵抗がある場合の選択肢の一つになります。ただし、オンライン診療が適しているかどうかや、初診時の対応、処方、診断書などについては条件があり、医師の判断が必要になる場合があります。
オンライン診療を希望する場合は、事前に利用条件を確認したうえで、必要に応じて対面診療も含めて相談しましょう。詳しい利用条件や診療の流れについては、当院のオンライン診療ページをご確認ください。
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仕事へ行けない状態が続く場合は、オンライン診療での医師への相談も選択肢です。
よくある質問
休日に元気に過ごせる時間があることだけで、問題がないとも、適応障害であるとも判断することはできません。仕事や日常生活への影響が続いている場合には、現在の状態について医療機関などに相談することを検討してみましょう。
記事に書かれている状況だけから、自分で適応障害かどうかを判断することはできません。受診を考えている場合は、いつ頃からどのような変化があったのか、仕事や生活にどのような影響があるのかを整理して、医師に相談してみましょう。
心療内科や精神科などで、心身の不調について相談することができます。どちらに相談するか迷っている場合でも、まずは現在困っていることや心身の変化について相談してみるとよいでしょう。
医療機関によってはオンライン診療に対応している場合があります。ただし、利用できるかどうかや初診時の対応などには条件があるため、事前に確認しましょう。
まとめ
適応障害のつらさは、決して甘えや怠けとして片付けられるものではありません。仕事や人間関係などの環境が変わったあとに、心身の調子に変化が現れることがあります。
一方で、休日に元気に過ごせることだけで問題がないとも、適応障害であるとも判断できません。大切なのは、自分を責めることでも、自分で病名を決めることでもありません。
まずは、
- 何が変わったのか
- 心身にどのような変化があるのか
- 仕事や生活にどのような影響が出ているのか
を、自分の言葉で整理してみましょう。
「みんな辛いんだから」と自分を追い詰めるのではなく、今の自分がどんな状態なのかを知るところから始めてみてください。「一人で抱えるのがしんどいな」「少し話を聞いてほしいな」と感じたタイミングで、誰かに相談することから始めても構いません。
まずは、頑張ってきた自分を責めずに、今の状態を整理するところから始めてみましょう。
まずは初診でご相談
初めて受診する方へ
気分の落ち込みや不安、不眠等の症状が続いている場合は、医師の診察を受けるという選択肢もあります。
iこころクリニック日本橋編集部
当院の診療内容や精神科・心療内科に関する情報をもとに、患者さまのお役に立つ情報を編集・発信しています。


